PV monitor inverter charcon battery etc 消費電力 太陽光設計 太陽光TOP

インデックス

PV400Wで暮らしてみようと思う。しかし、PV400Wで果たしてどこまで出来るのだろうか?と言う訳で、分らないから試してみるのだ!
 ソーラー発電400W生活 (充放電コントローラー)  〜 チャージコントローラーの機能〜
          
 オフグリッド型太陽光発電設備においての肝。PV(太陽電池)アレイとバッテリーの間に接続し、充電と放電の制御を行う装置で、太陽電池アレイが発電しない夜間や発電量の少ない悪天候時には、電流がバッテリーからソーラーパネルに逆流しないようにコントロール(ソーラーパネルに逆流防止ダイオードは付いています)し、バッテリーの過充電や過放電を防止  して効率の良い充放電のコントロールを行います。
 充電効率95%以上とロスが少ないMPPT(最大電力追尾)方式と、一般的なPWM(パルス幅変調)方式に大別されます。

チャージコントローラー(充放電制御装置)の機能

チャージコントローラーには、一般的に下記のような機能がありますので、システムに応じて最適なものを選びます。
 ・充電制御:ソーラーパネルからバッテリーへの充電電圧を自動制御し、バッテリーの過充電を防止します。
 ・放電制御:バッテリーの低電圧による負荷の遮断と負荷の自動再接続を行い、バッテリーの過放電を防止します。
 ・バッテリー設定:密閉式バッテリーや非密閉式バッテリー、または特性に合わせて設定します。
 ・温度補正:外付けのサーミスタなどによって温度補償を行います。
 ・逆流防止:夜間・雨天等の低照光時おいて、バッテリーからソーラーパネルへの電流の逆流を防止します。
 ・夜間タイマー:ソーラーパネルの発電状態から日没や日出を検知し、負荷接続を自動的に制御します。
 ・温度補正:バッテリーの温度を感知して充電電圧を補正し、より最適な充電制御を行ないます。
※ 機種によって、機能の有無が異なります。使用の前に、各商品の説明書やカタログにて確認が必要です。

チャージコントローラーの選び方

 結論から言うと、充電効率95%以上を得られるMPPT(最大電力点追尾)方式のチャージコントローラーを 選択すべき  です。価格はそれなりに高いのですが、95%以上の充電効率が得られるという事は、充電効率が80%のコントローラー  に比べてPV(太陽電池)アレイの面積が15%アップしたのと同等だということです。
 これは、限られた条件でなるべく多くの果実を得たいと考える独立型太陽光発電にとっては、大きな味方だと考えます。
 チャージコントローラーに必要な仕様は、PV(太陽電池)モジュールの短絡電流以上の電流の入力に耐えられる ことと、 チャージコントローラーの最大入力電圧がPV(太陽電池 )モジュールの開放電圧以上であることですが、PV(太陽電池 ) モジュールの電圧とのマッチングで制約(ロス)の多いPMW方式と異なり、MPPT方式では最大入力電圧が十分大きい  ことで、PV(太陽電池 )モジュールが系統連携型用・オフグリッド用であると言う垣根を取り払ってしまいます。
 要するに、MPPT方式のチャージコントローラーと系統連携型用と言われるPV(太陽電池)モジュールを 組み合わせる  ことによって、より効果的な発電を行うことが可能になります。 これは、「入力電圧×入力電流=出力電圧×出力電流」の 成せる技です。

以下に、簡単にMPPT方式の充電段階にも触れておきます。
 ・バルク充電:
   太陽電池アレイから得られる電力の100%をバッテリーへ送るモード。  ※TS-MPPT-60の取説より (以下同じ)
 ・吸収充電:
   バルク充電が終了したあと、あらかじめ設定された閾値(電圧)を超えると、電流を制限して電圧一定に保つモード。
   加熱や過剰なバッテリーガスの発生を防ぎつつ、ゆっくりと満充電に向けて充電を行い、バッテリーは吸収充電時に
   ほぼ満充電となります。
 ・フロート充電:
   長期の過充電からバッテリーを守るため、電圧を調整するモード。満充電になると、化学反応が停止して充電電流
   は熱やガスとなります。このとき、とても低い電圧で微弱な電流を流してメンテナンス充電(満充電の状態を維持する
   充電)を行います。
 ・均等化充電:
   高い電圧を用いてバッテリーのセル間のレベルを整えるモード。バッテリー能力やバッテリーの寿命に重要な影響
   を与えるステップで、硫酸結晶の硬化を防ぎます。ちなみに、ディープサイクルバッテリーは酸化現象の影響を受け
   易いバッテリーなので、このモードが重要です。
   均等化充電は、バッテリー電圧を標準的な吸収充電よりも高い電圧で充電し、そのため電解ガスが発生します。

    
 以下は、私の充放電制御装置の使用履歴です。MPPT方式で、カタログの最大充電変換効率は それぞれ97.5%・99%
と記載されています。
中国製の「何ちゃってMPPT」は、どんなに安くたって購入しません。名前だけのMPPTであることは「先刻、お見通し!」。
 ちなみに、効率よく運転するためにはRTS(リモート温度センサー)の設置は、必須の様です。構造的にバッテリー温度と
本体に付属する温度センサーの温度差は驚くほど大きく、これが効率を著しく損ないます。

         
SS-MPPT-15L  
公称システム電圧 : 12、24Vdc
最大バッテリー電流 : 15A
最大太陽電池入力電圧 : 75Vdc
バッテリー動作電圧範囲 : 7〜36Vdc
公称最大入力電力 : 12V-200W
               24V-400W
電圧精度 : 1.0%
電流精度 : 2.0%
自己消費電力 : 35mA
最大充電変換効率 : 97.5%
サージ保謙 : 1500W/ポート
充電アルゴリズム : 4段階
充電状態 : パルク、吸収、フロート、均等化
温度補償精度 : -5mV/℃/セル〈25℃〉
温度補償範囲 : -30℃〜+80℃
湿度補償設定 : 吸収、フロート、均等化
品番 SS-MPPT-15L (MorningStar社)

TS-MPPT-60  
TS-MPPT-60 公称システム電圧 : 12、24、36、48Vdc
最大バッテリー電流 : 60A
最大太陽電池入力電圧 : 150Vdc
バッテリー動作電圧範囲 : 8〜72Vdc
公称最大入力電力 : 12V-800W
               24V-1600W
               48V-3200W
電圧精度 : 12/24V:≦0.1%±50mV
            48V:≦0.1%±100mV
自己消費電力 : 1.3〜2.7W
最大充電変換効率 : 99%
サージ保謙 : 4500W/ポート
充電アルゴリズム : 4段階
充電状態 : パルク、吸収、フロート、均等化
温度補償精度 : -5mV/℃/セル〈25℃〉
温度補償範囲 : -30℃〜+80℃
湿度補償設定 : 吸収、フロート、均等化、HVD
品番 TS-MPPT-60 (MorningStar社)

リモート温度センサー  
リモート温度センサー SS-MPPT-15LとTS-MPPT-60に共通の
リモート温度センサーで、バッテリーの温度を
測定 して温度補償を行います。
特に、ヒートシンクと温度センサーが極めて
近いSS-MPPT-15Lには必須です。

RTCの抵抗値を測ってみた。
気温16℃のとき、約15kΩ。
気温20℃のとき、約12kΩ。
気温25℃のとき、約10kΩ。
温度の上昇に対して抵抗が減少して行きます。 どうやら、10KΩ(25℃)のNTCサーミスタで  間違いない様です。

※ 監視装置かなとも思ったのですが、こちらへ
品番 RTS (MorningStar社)

ちなみに、大きさはこんなに違います。重量比約6倍、体積比は8倍 以上です。
しかし、届いたときからオリジナルの英文マニュアルのステープルが錆びている。そんなに古い物なのか?

    
 どうせなら日本語の取説の付いた物が 欲しかったのですが、あまりにも価格が違いすぎます。
 どのみち、ネットショップでの保証なんて期待はできないだろうし、そもそも簡単には壊れない商品なのだろうと思う。
取説に書かれている保障期間は5年間だし。
 中国製インバータの壊れた話は、自分が使用していた物も含めてネット上にはゴマンと溢れているけが、「TS-MPPT-60」の壊れた話は 聞いたことが無いし、見た記憶もない。
 とすれば、日本語の取説の付いた「TS-MPPT-60」の価格というのは一体全体、どう言う訳なのだろうか?
 アメリカでの価格は概ね500ドル程で、アマゾンの並行輸入品での7〜8万円は、円安の進む昨今ではそんなもの だろうと思う。
 しかし、日本語の取説付きとなると、いきなり5万円もの  金額が上乗せされてしまっている。
 自由経済下においては、需要と供給のバランスで価格が 決まるのだそうだから、どんな価格を設定しても問題は無いのだろうが、やはり釈然としない。
そこで一念発起。「使用するのは一年ほど先なので時間はある。どれだけ時間がかかっても英語のマニュアルを和訳してやろう 。」と考えた次第です。
 と言う訳で、購入した「TS-MPPT-60」の取扱説明書の和訳に挑戦してみました。
 これまでの「SS-MPPT-15L」での経験の積み重ねや、情報の蓄積、ネットでのさまざまな「TS-MPPT-60」の使用情報を見ながら、専門用語が多い こともあり、思ったより簡単に和訳ができました。

 しばらくは英語版マニュアルの図や表を見ながら、和訳を
した文章を読んでいたのですが、だんだん面倒になり、和訳した文章に英語版マニュアルから図表を 切り出して貼りつけて、私家版「設置・取扱説明書」としてまとめてみました。

これで、約5万円の節約になりました。良い気分!!

 和訳して分かったのは、「TS-MPPT-60」には「SS-MPPT-15L」には説明が十分で無く、疑問に思っていた情報が多多含まれており、より知識が深まったのは幸運でした。
やはり、苦労はしてみるものです。
 「TS-MPPT-60」のマニュアルの内容は、「SS-MPPT-15L」に比べてページ数は2倍も無いのですが密度が全く違い、
体感的には、4〜5倍は濃い様に感じました。

私家版「SS-MPPT-15L 取扱説明書」表紙
私家版「TS-MPPT-60 取扱説明書」表紙
「SS-MPPT-15L」 「TS-MPPT-45/60」
「SS-MPPT-15L」も和訳をしていたのですが、これ も
私家版の「設置・取扱説明書」として作成し直しました。
一念発起し、「TS-MPPT-60」を和訳 してみました。
私家版の「設置・取扱説明書」として作成しました。
体裁も、英文マニュアル風にしてみましたので、 なかなか良い感じで出来ました。
違和感無く、商品に添付できてしまいそうです。手前味噌、自画自賛です。